インプラントの寿命を左右する
「インプラント歯周炎」
人工物であるインプラントは虫歯になることはありませんが、インプラントを支える顎や歯ぐきなどの歯周組織が歯周病菌に冒される「インプラント歯周炎」になることがあります。インプラント歯周炎になると、インプラント脱落などのトラブルを引き起こすことがあります。
インプラント歯周炎は、歯周病と同じ原因と症状の病気です。プラーク(歯垢)の中に生息する歯周病菌により顎の骨や歯ぐきに炎症が起き、徐々に顎の骨が溶け、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうことがあります。天然歯よりも感染しやすいにもかかわらず気が付きにくいため、定期検診やメインテナンスで早めに発見することが重要です。
歯周病と同じような症状が起きるインプラント歯周炎ですが、大きな違いがあります。それは、初期症状は通常の歯周病以上に乏しく、相当進行しないかぎり人工歯のグラつきに気付かない点です。次のような症状があれば、早めに歯科医院へご相談ください。
- インプラント周辺の歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきから出血がある
- 歯ぐきから膿が出ている
インプラント歯周炎の検査方法・治療法は、歯周病に対するものとほとんど同じです。当サイトで行っている検査や治療などの処置をご紹介します。
検査方法
出血や膿の確認 / 細菌検査 / 歯周ポケットの深度測定 / レントゲン検査
治療法
歯周ポケットの深さと状況 | クリーニング | 消毒・洗浄 | 外科的処置 | |
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3mm以下 | 出血なし 汚れの付着あり |
丁寧な ブラッシング |
状況に応じて洗浄・洗口 | 不要 |
出血あり 汚れの付着あり |
PMTC | |||
3~5mm | PMTC |
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不要 | |
5mm以上 | 出血あり 骨は溶けてない |
PMTC |
|
不要 |
出血あり 骨が溶けている |
|
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インプラント歯周炎になると、せっかく時間や費用をかけて入れたインプラントが脱落するなどのトラブルを引き起こし、インプラント治療そのものが台無しになってしまうことがあります。このような事態を回避するためにも、定期検診によるメインテナンスや毎日のセルフケアを怠らず、インプラントを末永く健康に維持できるよう心がけましょう。